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■神格化をやめ、今こそ核論議を【正論】防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛「吾輩は非核三原則である」

【正論】防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛

「吾輩は非核三原則である」

■神格化をやめ、今こそ核論議を

 ≪「議論せず」含めば四原則≫

 吾輩は非核三原則である。生まれは1967年、生みの親は佐藤栄作首相。政治が生みの親なのに「唯一被爆体験国民」の「国是」とやらで、吾輩は神棚の御神体よろしく40年近くを過ごしてきた。

 最近、吾輩の周りが騒がしい。北朝鮮の弾道ミサイル連射、核実験という暴挙で、日本は核保有論議をやってみるべきだとの声が政府与党に生まれたからだ。中川昭一自民党政調会長と麻生太郎外相が代表格。するとどうだ。連立与党代表が吾輩に言及し、麻生、中川発言を強く牽制(けんせい)した。報道機関がこれに追随、とくに外相発言は閣内不一致の証拠だと論じた。慌てたのかどうか、官邸は「非核三原則は堅持。政府としてそれ以外のことを議論することはない」と1度、幕を引いた。

 吾輩にも言わせろ。非核三原則とは、日本は核兵器を「作らず、持たず、持ち込ませず」というものだ。中川、麻生発言を問題視する勢力は非核三原則を、「議論せず」も含む「四原則」だと勘違いしている。とんでもない拡大解釈だ。吾輩は「議論せず」原則なぞを含まないから、核保有論議をなんら禁じていない。理屈上は、政府部内の議論さえ禁じていない。


 ≪拡大解釈の前歴もあった≫

 繰り言めくが、吾輩は昔から拡大解釈されやすかった。「持ち込ませず」とは、吾輩の誕生当時には米国核兵器を日本領土上に配備、貯蔵させないの意味だった。が、数年すると、核は米艦艇に積まれる時代になった。そこで核搭載米艦艇の日本一時寄港や領海通過も「持ち込み」だと野党が騒いだ。国会審議での事なかれ主義に徹した政府は屈従、それも「持ち込み」だから許されないと拡大解釈を採用した。そして米艦艇は一時寄港、領海通過の前に核兵器をどこかへ降ろしてくるので、非核三原則は守られる、と説明した。噴飯ものだ。

 いま、吾輩の横で居眠りしている男、当時は防衛大学校にいた佐瀬という男だ。この男がそれは拡大解釈で、非核三原則の「三・五原則」化だから「三原則に戻せ」と論じた。防大教官が政府見解に異を唱えたので国会でも問題化した。だが、米国の〈核の傘〉の信頼性を高める見地からは正解だったはずだ。

 誕生当時、吾輩は日本の安全保障政策上、重要な役割を担った。NPT(核拡散防止条約)以前の時代、日本、西ドイツ、スウェーデン、スイスなどの核武装が国際的に噂される中、国民感情への配慮優先の第三原則はさておき、「核武装せず」が日米安保強化の適策だと結論されたのだ。が、時の経過につれ、安保政策的見地からの検討は失せ、拡大解釈された吾輩は不可触の御神体と化した。


 ≪〈核の傘〉の信頼性向上を≫

 今回、北朝鮮の暴挙がきっかけで、この御神体は日本の安全にとり本当に御利益があるものなのか、いっぺん自分の目で確かめ、議論してみたいという動きが現れた。興味ぶかいことに、中川政調会長も麻生外相もともに「自分は核武装論者ではない」と言い、ただ、議論の上、それを納得できることが重要なのだと語っている。吾輩としてもその方がうれしい。結局、政府や党として以外の核保有論議は自由で、言論封殺はできないとの、穏当な安倍首相発言となった。

 が、気掛かりがないではない。ひとつは、麻生外相同席の場で久間防衛庁長官が、核保有論議そのものに反対しないが、「静かなタイミング」で「静かに」議論しないと、米国なぞでは誤解されると、外相とは「若干のニュアンスの違い」を語ったことだ。気持ちはよく分かるし、「静かな」議論には吾輩も大賛成。外相や政調会長も異存あるまい。けれども、議論なしの「静かな」状態に40年ほども付き合ってきた吾輩としては、では一体、いつ議論を始めるのかと反問したくなる。きっかけなくしては、議論は始まらないからだ。

 もう1点の気掛かりは、核保有論議と非核三原則論議の重要な違いに気付いている人間はどれだけいるか、だ。前者は「持ち込ませず」原則とは直接には関係がない。が、吾輩はそれを含む。今日、北朝鮮の核を前に米国の〈核の傘〉の全面的信頼性が疑われ、核保有論議必要論が日本に台頭した。この疑念解消の1つの道は、米国の同意を前提に、寄港、領海通過をも含み米国核の日本「持ち込み」を図ることである。この場合、無論、日本は核保有しない。佐瀬という男は20年以上前、ほぼそれを主張していた。

 あ、佐瀬が目を覚ましそうだ。起きると、うるさい。だから今日はここまで。

(させ まさもり=拓殖大学海外事情研究所客員教授)
2006年11月7日、産経新聞

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