露船員逮捕 「ビール買いに」…不法上陸 北海道根室
4月8日10時5分配信 毎日新聞
北海道根室市の納沙布岬に7日、ゴムボートで不法上陸したロシア人の男が出入国管理法違反(旅券不携帯)容疑で根室署に現行犯逮捕された。「ビールを買おうと思った」と供述している。海難などの緊急避難でロシア人が漂着することはあるが、故意の上陸で逮捕されたケースは同署も「聞いたことがない」という。
調べでは、逮捕されたのはロシア・サハリン州ユジノサハリンスク、1等航海士、セルゲイ・バシュケビッチ容疑者(29)。同容疑者は同日午前10時40分ごろ、同岬の先端付近に船外機付きのゴムボートで乗り付け、パスポートや船員手帳での入国手続きを取らずに上陸した疑い。
同容疑者はこの日、ダイバー3人と北方領土の水晶島沖でウニ漁をしていた。潜水したダイバーが上がってくるのを待っている間に数キロ離れた同岬に上陸。近くのドライブインで1万円札を出し、缶ビール1ケース(24本)を買った。
岬付近でウニ漁をしていた根室市の漁業者が「不審なボートがある」と歯舞漁協を通して同署納沙布駐在所に通報。ビールを積み込もうとしていた容疑者の身柄を駆けつけた同署員が拘束した。つかまえた署員は「悪気はなさそうだったが、酒臭かった」と話している。
過去には77年に同岬と水晶島のほぼ中間点にある貝殻島まで泳いだ日本人が旧ソ連側に逮捕されたことがある。貝殻島沖では昨年8月、中間ラインから約400メートルロシア側で操業していた漁船がロシアの国境警備艇に銃撃・拿捕(だほ)され、乗組員1人が死亡する事件が起きている。【本間浩昭】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070408-00000004-maip-soci
異色のロシア人だ。
「ビール買いに」不法上陸するのは困った異色のロシア人だが、今朝の産経新聞で紹介されていたのは立派な異色のロシア人だった。
ロシア人の元「日本のスパイ」
「アジアのソ連化防いだ」
日本は誇り
2007/04/08, 産経新聞
第二次大戦当時、日本の特務機関で反ソ連謀略活動を行っていたロシア人の元諜報員が、産経新聞のインタビューに応じた。「日本のスパイ」は終戦後、ソ連軍に捕まり、強制労働など苦難の人生を歩んだが、日本を心の支えにして生きのびた。「日本軍がいなかったら、東アジアはロシアのものとなっていただろう」。東アジアの“ソ連化”と戦った日本は、老兵にとっていまも誇りだった。
(モスクワ 内藤泰朗)
この元諜報員は、モスクワ南東約400キロのタンボフに住むウラジーミル・ゴリツォフ氏(90)。日本名は「ゴトウ」。同氏を訪れると「ヨクキテクレマシタ」と日本語で出迎えてくれた。日本語を使うのは60年ぶりだという。
ゴリツォフ氏はロシア革命の前年、極東ウラジオストクでホテルなどを営んでいた企業家の一人息子として生まれたが、ボリシェビキ革命政権による富裕層弾圧が強まった1929年夏、ソ連を脱出し、満州に移民。日本の特務機関に加わり、対ソ連諜報・破壊工作を目的に創設された浅野部隊で反ソ連工作に当たってきた。
「ロシアが(ソ連の独裁者)スターリンの赤い鉄のくびきから解き放たれ、元に戻ると信じていた」
そう語るゴリツォフ氏は、ロシア語のラジオ放送や無線を傍受し、ソ連軍の脱走将兵から軍の配置などの情報を収集し日本語に翻訳する任務に当たっていたほか、国境を越え、ソ連で反革命運動の扇動や反ソ連勢力への武器搬入も行った。
ソ連が1945年8月に対日参戦すると、特務機関は解散し、資料は燃やされた。日本軍は協力していた白軍(帝政ロシア支持派)らロシア人たちを南に逃がそうとしたが、ゴリツォフ氏らを乗せた列車は赤軍(革命軍)に止められ、逮捕後、モスクワに送られた。
「(当時、関東軍情報部長だった)秋草俊少将は、自分たちより私たち外国人をまず逃がそうとした。その場ですぐに銃殺されなかったのは、白軍の指導者たちが一緒だったため、日本の情報収集に役立つと思われたのかもしれない」。ゴリツォフ氏はこう指摘した。
しかし、生き残った同氏を待ち受けていたのは、強制収容所(ラーゲリ)だった。シベリアや極北の炭坑などを転々とした。日本軍幹部が戦後、抑留されていたウラジーミルのラーゲリでは、先の秋草氏とも再会した。
スターリンの死後、ラーゲリから解放。しかし「日本のスパイ」という過去は就職の妨げとなった。
肉体労働など、きつい仕事ばかりの苦しい生活だったが「日本」は常に誇りだった。
「日本がなかったら、極東は完全にソ連化されていただろう。日本のおかげで、アジアはソ連化されなかったと言っても過言ではない。日本はその事実を誇りに思うべきだ」と語った。
一方、北方領土問題については「4島は、いかなるときもロシアの領土となったことはない。ソ連が北方領土を占拠したのは歴史的な誤りであり、わが国最大の恥辱だ」と強調した。
半世紀以上を経たいまも、「ロシア国民の敵」のレッテルをはられたままだが、一昨年の戦勝60周年には、タンボフ市から退役軍人を称賛する記念メダルが贈られた。「ブラックユーモアかと思った」と、笑ってみせた。
- 関連記事
-
- 右翼国民党は南京政府を樹立・左翼の漢口政府は崩壊へ・国民党内部の争奪戦で失敗した左翼は農村で勢力拡大・「共産主義運動=農民一揆」となる・『世界政治と東亜』G・F・ハドソン著12 (2007/04/09)
- 子供がいなくなる?生殖能力が年々低下傾向―支那・精子の数が40年前の1億個から2000万~4000万個にまで減少・公害・食生活・ストレス・・・ (2007/04/09)
- 露船員逮捕「ビール買いに」不法上陸・・・異色のロシア人・・・ロシア人の元「日本のスパイ」・「アジアのソ連化防いだ」・日本は誇り (2007/04/08)
- 「1927年の南京事件への道」?・国民党(北伐軍)左翼(共産主義者)による南京事件勃発・蒋介石は英国との衝突を避け上海と漢口の左翼分子を鎮圧・『世界政治と東亜』G・F・ハドソン著11 (2007/04/08)
- 迎撃地点の探知防止・PAC3擬装作戦・首都圏の基地巡回・防衛省方針・MDは役に立たない・キッシンジャー氏:日本の核武装警戒、74年の米公文書で判明 (2007/04/08)