「正論」 2002/12/ 5 1:07 [ No.2071 / 7603 ]
投稿者 :
deliciousicecoffee
2002/12/04 (産経新聞朝刊)
正論 日本は少しも慌てる必要はない現代コリア研究所長 佐藤 勝巳「万景峰号」
入港阻止の法的措置を取れ ≪「肉を切らせて骨を切る」作戦≫(12/ 4)
昨今、国民及びマスコミなどの拉致に対する最大の関心は、北朝鮮にいる被害者家
族を何時(いつ)日本に帰国させることができるかにある。
今回、金正日政権が拉致を認めたのは、日朝交渉を盾にブッシュ政権の爆撃を避け
るという狙いがある。もう一つは、日朝交渉を再開し、日本から経済援助を獲得、政
権維持を図るという二つの目的があった。そのためには拉致解決のポーズを取らざる
を得なかったのである。
金正日政権の拉致容認は、追いつめられたものが「肉を切らせて骨を切る」という
作戦であり、拉致を認めトップが謝罪した。これで「一件落着」と彼らは思った。と
ころが日本の世論は「八人死亡」に激怒、「拉致の解決なくして日朝交渉なし」とな
り、帰国した五人を北朝鮮に帰さないことで反撃した。
これを指して金正日政権は「約束違反」といっているが、馬鹿なことをいってはい
けない。日本人を拉致したのは金正日政権だ。拉致を認めた以上、無条件で原状回
復、全員を日本に帰すこと以外に解決の方法などありえない。
それにしても従来の日本の土下座外交からは考えられない日本側の態度に金正日政
権は驚いたに違いない。彼らは日本情勢を完全に読み違いをし、喉(のど)から手が出
るほど欲しい経済援助を手にする見通しすら立たなくなった。 ≪北朝鮮の致命的な
読み違い≫
金正日政権は、もう一つ重大な読み違いをした。十月上旬、米国務省ケリー次官補
に核開発をしていることを認めた。ブッシュ政権は、クリントン政権と違って重油支
援を打ち切り、軽水炉支援も事実上の打ち切りを表明する厳しい態度にでた。
他方、米国のテロ支援国家への攻撃は「イラクの次は北朝鮮」といわれていると
き、上記の核開発発言だ。米朝枠組み合意違反と同時に核拡散防止条約違反でもあ
り、国連安保理での制裁対象となる。金正日政権のこの発言は、中国、ロシアをはじ
めとする全世界を敵に回す自殺行為である。これは致命的な読み違いというべきであ
ろう。
金政権は七月に「経済改革」なるものを実施した。その後の情勢は食糧の高騰など激
しいインフレが進行、再度、大量の餓死者や亡命者の流出の可能性が取り沙汰されて
いる。また、北朝鮮筋からの情報によると三、四万人と推定される最高権力者に忠誠
を誓う特権階級(核心階級)にすら食糧の供給が従来通り出来なくなるのではないかと
いう不安が広まりつつあるという。
一方、金正日政権に最も理解を示していた韓国の金大中政権の任期はまもなく終わ
り、韓国からの支援も期待できない。中国・ロシアから大量の食糧支援など考えられ
ない。金正日政権は文字通り重大なピンチに立たされている。金正日政権が拉致や核
開発を認めたのは、危機を打開する意志も能力も持ち合わせていない証拠である。
先に紹介したように彼らが今、口に出来るのは五人を北朝鮮に帰さないから「約束
違反」という、とんちんかんな妄言と、せいぜい「安保協議に応じない」という程度
のものだ。 ≪黙ってほっておけばよい≫
仮に日朝交渉が中断しても日本はなにも困ることはない。もちろん帰国した五人の
親たちは子供に会いたいだろうし、不安がないわけがない。しかし、本人たちは「日
本政府を信じて待つ」と表明している。なのに何の関係もない一部の人たちから「家
族が帰ってこないと大変だ」という声がでている。外務省は担当局長を大連に派遣し
たがそこで何をしたのだろう。
上述のように困っているのは金正日政権だ。黙ってほっておけばよい。必ず彼らか
ら接近してくる。今、日本が慌てて動けば「被害者家族を帰すからコメを出せ」とい
うことになる。こんな愚かな外交は過去のものにしなければならない。
拉致被害者の数はわれわれの推定では七十名以上である。これの解決は容易なこと
ではない。もちろん交渉も必要であるが、力の背景なくして解決は不可能である。
朝銀へ公的資金を絶対出してはならない。次に日本から北朝鮮へモノ、カネ、人、
工作ルートのパイプ役を果たしているのが「万景峰号」だ。この船の日本入港阻止の
法的措置を取らない限り、金正日政権は真面目に対応してこない。
また、そう遠くない将来、前述のように朝鮮半島の緊張は高まり、経済制裁という
ことになる。これに即応できるためにも北
返信
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