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【日本よ】石原慎太郎 核開発の是非 (2006/11/06, 産経新聞)

【日本よ】石原慎太郎 核開発の是非
2006/11/06, 産経新聞

 最近になればなるほど、昔司馬遼太郎氏がよく口にしていた言葉を思い出す。「日本人というのは不思議な人種やなあ。多くの連中にとってある種の観念の方が目の前の現実よりも現実的なんやから」と。

 国家民族の存亡に関わる「平和」についての日本人の考え方捉え方についてもしみじみそう思われる。平和を望まぬ者などどこにもいはしまいが、「平和」とはある国家なり社会の現実に在る姿であって、その安定した姿が確立されていなければ「平和」は平和として成り立たない。平和を願って成立させるためには、現実的なさまざまな配慮手立てなくしては有り得ない。

 田中美知太郎氏の至言に、「憲法で平和をいくら唱えてもそれで平和が確立する訳はない。ならば憲法に、台風は日本に来てはならないと記すだけで台風が防げようか」とあったが、平和にしろ何にしろ、多くの人間が願う理念の実現には現実的な手立ての積み重ねが要るし、それを脅かしかねぬものが在るとするならその排除、防御が現実の手立てとして必要となる筈だ。

 多くの同胞を誘拐拉致し、多量の麻薬を持ちこんで売りさばき、多量の偽ドル札を横行させている、まさに強盗に匹敵する隣国がさらに加えて核兵器を開発して、それをかざし日本を瞬時にして火の海にもして見せると我々を恫喝(どうかつ)している時、それを防ぐ日本なりの手立てとして日本の核開発について議論せざるを得まいという、与党の政策責任者の中川昭一氏の発言が、非核という理念をかざして非難されるという現象は司馬氏の慨嘆を借りるまでもなく滑稽、愚かとしかいいようない。ある種の理念の前では自由な現実的議論さえ封じられなくてはならぬというのだろうか。

 そうした非難の前提にはアメリカの核の抑止力への盲信が透けて見えもする。核戦略の技術は刻一刻変化進歩しているが、日本人の核に関するある理念を表象している、佐藤内閣時代にいい出された非核三原則なるものが踏まえた当時のアメリカの核戦略の抑止力のメカニズムそのものも、NORAD(ノース・アメリカ・エア・デイフェンス)とSAC(ストラッジ・エア・コマンド)の仕組みからして当時の日本には全く及ばぬものだった。沖縄返還の際に言い出された非核三原則なるものの空虚さについて、驚くことに日本の政治家としては初めて現地を視察した私にNORADの司令官が明言した通り、アメリカの核戦略に関する警備体制はその名の通り北米大陸のみを対象としたもので日本への攻撃の察知には全く役に立たないものでしかなかった。


 当時の参院議員予算委員会で「核は作らず、持たず、持ちこませず」という三原則は語呂合わせの阿呆陀羅経のようなもので、作らぬ、持たぬが故に持ちこまさせるべきはないかと質(ただ)した私に佐藤首相は、「これは国是だ」とつっぱねたが、佐藤氏の兄の安保を相務条約として改定した岸信介首相の所信はあくまで核二原則で、故にも日本への核の持ちこみ是としていた。

 ごく当たり前の話しで、従来現実日本に寄港するアメリカの重要艦船が搭載している核兵器を、寄港の前にどこで外して下ろすかなどという話は聞いたこともないし有り得る話しでもありはしない。

 しかし種々技術の進歩で核兵器の運搬手段も変化し、現に支那海に遊弋しているアメリカ原潜には迎撃困難な強力な巡航ミサイルが搭載されるようになりはしているが、当のアメリカの国力の減退、孤立化傾向の中でそれでもなおアメリカの日本防衛のための十全なパートナーシップが期待できるか出来ぬかは将来論のあるところに違いない。前にも記したが、アメリカは多量の人命の喪失に繋がる軍事的コミットメントにはますます躊躇するだろうし、その一方中国は毛沢東以来の伝統、半ば国是として、千万単位の人命の喪失には無頓着でしかない。

 そうした状況の中でさらに強盗国家の北朝鮮までが核兵器の開発を提言着手している現実に、日本が自力でどこまでどう対処すべきかを論じることそのものを非難するという神経は売国的とすらいえそうだ。

 私がかつてアメリカの核戦略基地を視察した頃、当時の沖縄返還を巡っての非核三原則とアメリカとの繊維交渉のもつれを踏まえて、毎日新聞が日本の核保有について世論調査った結果は、その是非の数値が35対36という際どいものだったのに驚かされた。そしてNORADとSACの体験事実を踏まえて「非核の神話は壊れたか」という論文を書いたことがある。その時点では、私は条件つきで日本の核保有は得策ではないとしていたが、日本に決して好意的とはいえぬ中国の得体の知れぬ核軍備拡張と悪意むき出しの北朝鮮の核開発という現況の中で、その気になれば簡単に成就可能な日本の核保有の是非について、まず議論をしてみるというのは日本の平和と安全の確保のために当然の姿勢と思われる。

 ちなみに中川氏の提言が、日本の核保有の可能性を熟知し一番恐れている中国外交上にどんな影響を与えたかを眺めるがいい。

 中川発言は当然のこととして中国の北朝鮮の核保有に関しての姿勢を大きく規制したし、今後も深い影響を与えるだろう。発言は平和という一つの重要な「現実」を形成していくために、現に強いインパクトをもたらしているということを、平和を願う者たちこそが知るべきなのだ。

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