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正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現
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■日米同盟と世論次第 【核論議 是か非か】元駐タイ大使 岡崎久彦氏

集団的自衛権の行使とか、双務的な同盟関係とかは、本来なら日本も核武装しなければキチンと出来ないはずだ。
安倍首相は、集団的自衛権の行使を目指しているのに、核武装については議論もしないと言う。
これは大きな間違いだ。


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【核論議 是か非か】元駐タイ大使 岡崎久彦氏

■日米同盟と世論次第

 日本の核武装を考える前提はそれが日米同盟の枠内で可能かどうかということである。

 つまり、日本国民の安全と繁栄をいかにして確保するかという至上の命題の下に、日米同盟との整合性をいかに確保するかである。

 米国から自主独立であることを示すために核武装をするなどという、日本の長期戦略として論理的に成立しようもない感情論は、どうせ実現しないから無害といえば無害であるが、もし本当にそれを実施すればそれは国家と民族の破滅への道である。

 現実の可能性ある先例としてはイギリス型とフランス型がある。英国は今世紀の初め以来、米国との協調を国是としてきた。

 もちろん2つの独立国の間で利害が完全に一致するということはあり得ないことであるから、その間に何度かの危機はあったが、米英関係基軸の原則の下に乗り切ってきた。こういう特別の信頼関係の積み重ねがあれば、米英の核戦略は相互に矛盾することはない。

 フランスの核武装は米国の強い反対を押し切って行われた。ただ、ドゴールはNATO(北大西洋条約機構)本部をパリから追い出すことまでしたが、NATO同盟は堅持した。米仏摩擦の真っ最中でありながら、ケネディのキューバ封鎖を真っ先に支持したのはドゴールであった。当時の米仏の同盟関係は、いまだに集団的自衛権も認めない中途半端な日米同盟よりも、信頼性が高かったことは留意する必要はある。

 ただ、冷戦の最後1990年代前半に、米国でフランスの核を容認する議論があったのを覚えている。それは、ソ連の脅威の絶頂期で猫の手でも借りたい時期ではあったが、フランスの核はソ連の計算を複雑化させる効果があるという論である。

 日本の場合に当てはめてみれば、例えば中国が尖閣諸島を攻撃したとする。中国としては、それぐらいのことで米国が核を使うはずはないとは思うだろうが、日本が核を持っている場合は、もしや、ということも考えて、計算が複雑となるということである。

 これは一つの核保有戦略論とはなり得る。しかし、その場合でも、大局的には米国の核の傘依存であり、得られる戦略的利益は相手側の計算が複雑になるという程度のものである。したがって、問題はこの程度の戦略的利益を得るためにどの程度の政治的外交的コストを支払う価値があるかである。

 日米同盟を失うようならば、もとより核抑止力は元も子もなくなってしまう。日米関係の現在の政治面経済面の密接さを考えるとドゴールが当時の米仏関係に支払ったようなコストは日本にとっては高過ぎよう。

 要は今後の日米同盟の強さと日本の世論であり、それの相関関係にあるのであろう。

 まずは、アメリカにとって、日本が、冷戦時代のNATO内におけるイギリス、フランスとの関係ぐらい重要不可欠なものであるかどうかである。この種の判断の難しさは、客観的な情勢判断にプラスして、それぞれの国の今後の政策も関与してくることにある。つまり、関係国に関係を密接にしようとする政策意思があるかどうか、それを実行できるかどうかにもかかってくる。

 やはり要は日本が集団的自衛権の行使を決め、それによって相互に必要不可欠な関係をつくる努力をするかどうかである。

 もう一つは、日本側の世論であり、意思である。日本の世論が一致して核武装を求めていることが明らかであり、米国が、日本の核武装を認めるか、日本との同盟を失うかの選択を迫られたときは、英仏型の核武装も可能性がある。しかし、予見すべき将来にはそうなる可能性は少ないと思う。

 最後に本論の主題として与えられた、核問題を議論すること自体の是非であるが、私は現に核武装論をここで議論しているのであるから、その問題は既に通り越してしまった。

 ただ政治が議論する場合、この程度の戦略論は考慮してほしいと思う。

2006/11/09, 産経新聞

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