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南京虐殺は嘘27 嘘吐きティンパレー(ティンパーリ)4

中央宣伝部が総力を挙げて製作したのが、宣伝本のティンパーリ編『戦争とは何か』であった。この本は「死亡した市民の大部分は、13日午後と夜、つまり日本軍が侵入してきたときに射殺されたり、銃剣で突き殺されたりしたものでした」とか、「強姦を拒んだ婦人も銃剣で突き殺されました。また、邪魔になった子供たちも突き殺されました」といった南京の「度重なる殺人」を描いていた。
ベイツ教授は「埋葬証拠の示すところでは」と述べ、市民1万2千人を含む4万人という数字を挙げて「日本軍(4万人)不法殺害」を主張していた。このようにベイツ教授やフィッチ師が描写した市民虐殺を裏付けようとしてか、中央宣伝部は英語版『戦争とは何か』の漢訳版『外人目撃中の日軍暴行』に、子供の死体、中国人の処刑、公開処刑などを多くの写真を掲載していた(これらの写真についての検証は共著の『南京事件「証拠写真」を検証する』をご覧いただきたい)。
南京の状況をこのように描写する本を読んだあとで、その要約を求められたとき、私たちはどのように要約するであろうか。ごく普通に考えても、私たちは、いの一番に、南京の「殺人」と「虐殺」を挙げて必ず要約するであろう。ところがこの『戦争とは何か』を製作し印刷した国際宣伝処の対敵課は、極秘文書のなかの「対敵課工作概況」に次のように要約していたのである。

A 『外人目睹中之日軍暴行』
この本は英国の名記者田伯烈(ティンパーリ)が著した。内容は敵軍が1937年12月13日に南京に侵入したあとの姦淫、放火、掠奪、要するに極悪非道の行為に触れ、軍紀の退廃および人間性の堕落した状況についても等しく詳細に記載している。この本は中国語、英語で出版したほか、日本語にも翻訳した。日本語版では書名を『戦争とは?』[『所謂戦争』]と改めている。日本語版の冒頭には、日本の反戦作家、青山和夫の序文があり、なかに暴行の写真が多数ある。本書は香港、上海、および海外各地で広く売られ、そののち敵の大本営参謀総長閑院宮が日本軍将兵に告ぐる書を発し、〈皇軍〉のシナにおける国辱的な行動を認め、訓戒しようとした。

右に見るように、『戦争とは何か』の内容は、「姦淫、放火、掠奪、要するに極悪非道(窮兇極悪)」と要約されていた。いの一番に記述されるべき「虐殺」「屠殺」「殺人」の2文字は見当たらない。
中央宣伝部がティンパーリ記者にお金を出して、『戦争とは何か』に日本軍の暴行を大いに書いてくれるよう頼んだのは、南京陥落前なのか陥落後なのかは分からないが、この秘密報告は南京陥落から3年半後に書かれたものである。したがって、中央宣伝部が南京大虐殺の発生を実際に認識していたのであれば、『戦争とは何か』の要約に際して「虐殺」という言葉を大々的に明示していたであろう。

P212~214

『南京事件――国民党極秘文書から読み解く』東中野修道

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