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東京裁判の不当さなぜ認めない・先祖の恥をそそぐ意志持て・【正論】渡部昇一

今日は産経新聞の【正論】欄に渡部昇一の良い寄稿がありましたので、連載中の『暗黒大陸中国の真実』ラルフ・タウンゼント著(1933年)はお休みにします。





先祖の恥をそそぐ意志持て

【正論】上智大学名誉教授・渡部昇一

 ■東京裁判の不当さなぜ認めない



 ≪チャーチルの偉業≫

 チャーチルについては少しばかり複雑な感情をもっている。何しろ日本を望まざる大戦に追い込んだ張本人の1人である。憎しみの感情を抱かざるをえない。と同時に、一個人として見る時、20世紀第一級の人物の1人として尊敬せざるを得ないからである。この人の言行や伝説から教えられることは実に多いが、特別に私に感銘を与えたのは、彼が自分の先祖のモールバラ公の汚名をそそぐために、約5年の歳月をかけて、各巻600ページの大冊4巻の歴史的伝記を書いたことである。

 モールバラ公は17~18世紀の天才的軍人でブレニムの戦いで大勝し、ルイ14世の野望を挫(くじ)くのに力があった。しかしフランスに逃亡していたジェイムズ2世と連絡し、祖国イギリスを裏切る行為があったとされていた。マコーレーの『英国史』の中で、モールバラはコテンパンに批判されていた。何しろマコーレーは蓋世(がいせい)の大歴史家であり、その『英国史』はイギリスの読書階級の必読の書とも考えられていたから、チャーチルは自分の先祖を恥じながら成長したわけである。ところがチャーチルは還暦を迎える少し前に、父の友人であったローズベリー伯爵(首相でもあり読書人でもあった)から、モールバラ公の裏切り説を否定する文献がフランスにあることを示唆された。チャーチルは躍り上がって喜び、若き俊秀モーリス・アシュレーらを助手とし、リンデマン教授らの助けを得て、自国とフランスの文献やヨーロッパの戦跡を徹底的に調べ上げ、見事に先祖の恥をそそぐことに成功したのであった。4巻二千数百ページに及ぶ大著はその結果である。
1953年(昭和28年)に政治家として最初のノーベル文学賞を与えられたのには、この著述が大きな役割を果たしたといわれた。



 ≪自衛のための戦争≫



 さてひるがえってみると、日本国民も長い間、侵略国として東京裁判により断罪されたために、肩身の狭い思いをしてきた。
しかしその東京裁判なるものは、国際法には一切関係なく、マッカーサー司令部の決めた条例(憲章)にもとづき、ポツダム宣言の条件を無視して行われた占領行政であった。

 しかも東京裁判の法源ともいうべきマッカーサー元帥自身がアメリカ上院の軍事外交合同委員会という公式の場で「従って日本が戦争に突入した目的は主として自衛(セキュリティー)のために余儀なくされたのであった」と証言している。
これはチャーチルが「カーマレー湾書簡」が偽書であることを発見して、先祖モールバラ公300年の恥をそそいだのにも似た証拠で、戦後60年の日本の恥をそそぐに十分な証拠であると考えられる。



 ≪「裁判」と「判決」の間≫


 ところが、このマッカーサー証言が報告されても喜ばない日本人、また無視し続ける日本人有識者が多いのはどうしたことだろう。チャーチルが先祖を愛したほどの愛を、自分の国の歴史に持たないのであろうか。

 それどころか「日本はサンフランシスコ条約で東京裁判を受諾して国際社会に復帰したのだから、その第11条を守る義務がある」という詭弁(きべん)を弄(ろう)する大新聞や学者や政治家がうようよいるのはどうしたことか。例の第11条には「東京裁判の
諸判決を受諾し実行する」とあるが、日本はその諸判決は忠実に実行して片づけている。しかし日本は「裁判」などに納得したとは言っていないのだ。「判決」には敗戦国だから従わざるをえなかっただけである。「裁判」と「判決」を混同するのは敗戦利得者たちの悪質な詐術である。有り難いことに最近戸塚ヨットスクールの戸塚宏氏は「裁判」とその「判決」の違いを誰にもわかるように示してくれた。

 戸塚氏はスクールの生徒を死なせたということで傷害致死罪という告発を受け、それにもとづく裁判の判決を受けて服役した。刑務所に入る時、戸塚氏は「懲役判決を受けたので国民の義務を果たして参ります」と言った。刑務所の中で彼は規則をよく守る模範囚だった。当然、刑期を短縮して仮釈放されるはずであった。

しかし戸塚氏は仮釈放されることをことわった。というのは仮釈放されるためには罪を認めて「悪うございました」と言わなければならない。
戸塚氏は業務上の過失致死でならいくらでも謝ることができたが、傷害致死や監禁致死という裁判を認めることはできなかったのだ。
東条英機被告たちも東京裁判を否定し、あれは自衛戦であったと言いながら(後のマッカーサーの意見と同じ)、判決には服したのである。(わたなべ しょういち)

2007/01/09
産経新聞

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