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サンフランシスコ平和条約11条で日本が受諾したのは「判決(刑の執行の継続)」であって、「裁判(内容や判決理由)」ではない・瀬島龍三『政府が早期に「判決は受諾したが、裁判は受諾せず」とするべきだった』


ソ連側証人として東京裁判に出廷した瀬島龍三が死去

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070905-00000045-san-soci

瀬島龍三氏死去 秀才中の秀才 数奇な運命
9月5日8時3分配信 産経新聞
(一部抜粋)
11年間のシベリア抑留中には、ソ連側証人として東京裁判に出廷。40代半ばで入社した伊藤忠商事で、会長にまで上り詰めた。
――――――






先月8月15日、当ブログで瀬島龍三氏の2年前のコメントを紹介したが、その瀬島氏が昨日老衰のため死去した。

8月15日に紹介した瀬島氏のコメントを改めて紹介しよう。


――――――
≪伊藤忠商事元会長・瀬島龍三氏≫

 ■「負ければ賊軍」しみじみ実感

 東京裁判の本質は、勝者が敗者を腹いせや、復讐のために裁いたにすぎなかった。いわゆるA級戦犯の方々は、国家の責任を背負われたのだと思う。昭和天皇は被告の方々を「忠誠を尽したる人々」と言われたが、その通りだと思っている。

 私はシベリア抑留中の昭和二十一年十月、旧ソ連によって東京裁判に証人として出廷させられた。法廷は極度に緊張した雰囲気だったが、被告の方々は泰然としていた。キーナン首席検事の尋問も受けたが、いかにもやり手だなという感じを受けた。

 法廷で最も痛ましいと思ったのは、被告席にいる東条英機大将をはじめ、かつての指導者、大先輩たちの姿だった。少なくとも「国のためによかれ」と指導にあたったにもかかわらず、戦いに敗れ、その責めを一身に負い、追及されていた。「勝てば官軍、負ければ賊軍」のつらさをしみじみと考えさせられた。

 今になって、A級戦犯や東京裁判に対する国内の評価が割れているのは、裁判の結果に対する日本政府の対応がまずかったのではないか。


 政府が早い時期に「東京裁判の判決は受諾したが、裁判は法に基づく適正な運用がなされたものではなく、被告の方々は国家を代表して責任をとらされたものだ」などと締めくくりを行っていた方が、処理しやすかっただろう。(談)
2005/08/01, 産経新聞
――――――




瀬島氏の上のコメントは、サンフランシスコ平和条約11条で外務省が誤訳をし、日本政府も外務省の誤訳を今日に至るまで踏襲していることに対する批判である。

ところが、先ほど、ureeruhiroshi(ヒロシ)さんのブログを見たら、ちょうどこの問題について論争が繰り広げられていた。

日本政府と同様に今でも外務省の誤訳を鵜呑みして、「日本はサンフランシスコ講和条約で東京裁判を受諾した」と勘違いしている日本人は多い。

しかし、日本がサンフランシスコ講和条約で受諾したのは、「東京裁判の諸判決」であって、決して「東京裁判」ではない。

今日はこのことについて説明しておきたい。





サンフランシスコ平和条約11条で日本が受諾したのは、「judgements=判決」つまり「刑の執行の継承(刑の即時停止の防止)」であり、裁判そのものを受諾した訳ではない。

「judgement」という英単語は、uncountable nounの場合には稀に「裁判」と和訳する事もあるが、サンフランシスコ平和条約11条の場合は、「Judgements」と複数形になっており、その場合には、countable nounだから、「裁判」にはならずに「判決」となる。

通常「裁判」を意味する「trial」、「proceedings」と区別されるべきことは、例えば権威ある法律辞典『Black´s Law Dictionary』の説明からも明白なのだ。




もっと判り易いのはスペイン語正文だ。

スペイン語正文では、日本は諸軍事法廷の「判決」(las sentencias)を受諾し、それらの法廷により言渡された刑(las sentencias pronunciadas por ellos)を執行すべきものと書かれている。

スペイン語の「sentencia」は、【判決】または【宣告された刑】を意味するが、【裁判】を意味する言葉ではない。

英語でもフランス語でもスペイン語でも、日本が受諾するのは【裁判】ではなく【判決】(刑の執行の継承)だと言っているのに、日本語の訳だけが【裁判】を受諾するとなっているのだから、日本が誤訳を記載して放置しているだけのこと。




つまり、日本が受け入れたのは、「刑の執行の継承(判決)」であって、「裁判の内容や判決理由(裁判)」ではない。

「判決を受諾する」ということは、「刑の執行を継承する」ということであって、「(侵略や虐殺などを捏造された)裁判の内容や結果を受諾する」ということではない。

服役中の者など全員をいきなり無罪にしたら、既に死刑を執行された者もいたために連合軍が悪者になってしまってマズイから、便宜上第11条があっただけで、これによって刑の執行の即時停止を阻止したに過ぎないのだ。

当時の法務総裁(法務大臣)や外務省条約局長や国会議員などの解釈や見解もそのようなものだった。

また、これは世界の国際法学界の常識も全く同じだ。


――――――――
要するに、十一条の規定は、日本政府による「刑の執行の停止」を阻止することを狙ったものに過ぎず、それ以上の何ものでもなかったのです。日本政府は十一条の故に講和成立後も、東京裁判の「判決」中の「判決理由」の部分に示されたいわゆる東京裁判史観(日本悪玉史観)の正当性を認め続けるべき義務があるという一部の人々の主張には、まったく根拠がありません。
 筆者は昭和六十一年八月にソウルで開催された世界的な国際法学会〔ILA・国際法協会〕に出席して、各国のすぐれた国際法学者たちと十一条の解釈について話し合いましたが、アメリカのA・P・ルービン、カナダのE・コラス夫妻(夫人は裁判官)、オーストラリアのD・H・N・ジョンソン、西ドイツのG・レスなど当代一流の国際法学者たちが、いずれも右のような筆者の十一条解釈に賛意を表明されました。議論し得た限りのすべての外国人学者が、「日本政府は、東京裁判については、連合国に代わり刑を執行する責任を負っただけで、講和成立後も、東京裁判の判決理由によって拘束されるなどということはない」と語りました。これが、世界の国際法学界の常識なのです。
佐藤和男監修『世界がさばく東京裁判』
――――――――






●1946年5月3日、東京裁判開廷

●1948年12月23日、東条英機ら7人絞首刑執行

●1951年
9月、サンフランシスコ平和条約調印
11月、大橋武夫法務総裁
「戦犯は国内法においてはあくまで犯罪者ではない」

●1952年
4月28日、サンフランシスコ平和条約発効
外務省の西村熊雄条約局長
「平和条約の効力発生と同時に、戦犯に対する判決は将来に向かって効力を失うのが国際法の原則だから、第11条はそういう当然の結果にならないために置かれたもの」(第11条は、刑の執行の即座停止の阻止が目的)
政府は拘禁中の全ての戦犯の全面赦免を関係各国に要請

5月1日、木村篤太郎法務総裁が戦犯の国内法上の解釈についての変更を通達。戦犯拘禁中の死者は全て「公務死」として、戦犯逮捕者は「抑留又は逮捕された者」に。(平和条約で戦争犯罪の撤回を認め、戦犯は国内法上の犯罪者とみなさず)

6月7日、戦犯の釈放を求める全国的な署名運動は、4千万人達成

12月、社会党の古屋貞雄衆院議員
「敗戦国にのみ戦争犯罪の責任を追及するということは正義の立場からも公平の観点から考えても断じて承服できない」






■結論
日本は、「侵略した」だの「虐殺した」だの有りもしないことをでっち上げられた東京裁判の内容や判決理由を受諾してはいない。









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