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不起訴の可能性も・特捜部の「着地点」見えぬ:郷原信郎氏・「特捜部が泥縄式に突っ込まざるを得なくなっているなら一体どんな着地点を描いているのか心配だ」・不起訴なら結果的に政府自民党に大打撃・楽観視は禁物


郷原信郎氏

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日曜日(8日)、テロ朝の「サンデープロジェクト」に出演していた郷原信郎氏の見解が新聞などで取り上げられる機会が徐々に増加しているようだ。
●関連記事
サンプロ、郷原信郎の見解
元東京地検特捜部で政治資金絡みの事件を担当した教授「政治資金規正法違反の立件は困難。この先他に何かなければおかしい。」
http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/39263008.html






郷原信郎氏は、元東京地検特捜部や長崎地検などで政治資金絡みの事件を担当し、現在は桐蔭横浜大学法科大学院教授となっている。

いろんなマスコミ報道があり、ネット上でもいろんな見解がある。

幾つかのブログの間では論争となっているようにも見える。

しかし、私が今までに最も説得力を有すると思えるのは、やはり「ヤメ検」の郷原信郎氏の見解だ。

郷原氏が田原総一郎司会のテロ朝「サンプロ」に出演したからといって、「反日マスコミであるテロ朝の雇われ者」などと揶揄するのは的外れだ。

私は郷原氏の公正中立性は信頼できると思うし、元東京地検特捜部や長崎地検などで政治資金絡みの事件を担当した人物の客観的な法令解釈などは重視して然るべきだと思う。

例えば、3月11日付「日経ビジネスオンライン」では、今回の小沢秘書逮捕に対する小沢や民主党の不適切な対応を非難し、反省と政治資金透明化への行動を促している。

その上で、郷原氏は、検察が小沢の秘書の犯罪を立件するのは難しいといっているのだ。


――――
2009年3月11日(水)

代表秘書逮捕、検察強制捜査への疑問
民主党は率直に反省し、政治資金透明化の好機とせよ
郷原 信郎
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090310/188674/

(一部抜粋)


 100年に1度とも言われる経済危機が深刻化する最中、政治を大混乱に陥れている今回の事件だが、検事時代、自民党長崎県連事件など多くの政治資金規正法違反事件を捜査してきた私の経験からすると、今回の検察の捜査にはいくつかの疑問がある。


違反の成立に問題はないのか

 まず、小沢氏側の会計処理が本当に政治資金規正法違反と言えるのかどうかに問題がある。
 この法律では、「寄附をした者」を収支報告書に記載することとしており、陸山会の収支報告書では西松建設のOBが設立した2つの政治団体が寄附者として記載されている。その記載が虚偽だというのが今回の容疑だが、政治資金規正法上、寄附の資金を誰が出したのかを報告書に記載する義務はない。つまり、小沢氏の秘書が、西松建設が出したおカネだと知っていながら政治団体の寄附と記載したとしても、小沢氏の秘書が西松建設に請求書を送り、献金額まで指示していたとしても、それだけではただちに違反とはならない。

 政治資金規正法違反になるとすれば、寄附者とされる政治団体が実体の全くないダミー団体で、しかも、それを小沢氏側が認識していた場合だ。捜査のポイントはこの点を立証できるかどうかだが、全国に数万とある政治団体の中には、政治資金の流れの中に介在するだけで活動の実態がほとんどないものも多数ある。西松建設の設立した政治団体が全く実体がないダミーと言えるのかは、微妙なところだ。
 もちろん、政治資金の流れの透明性を高めるという政治資金規正法の目的から考えると、実質的な拠出者も収支報告書に記載して公表するのが望ましいことは確かだが、政治資金の規正は、ヤミ献金をなくし、収入の総額を正確に開示することを中心に行われてきたのが現実で、資金の実質的拠出者の明示の公開とは程遠い段階だ。法律の趣旨を達成するために今後実現していくべきことと、現行法でどこまで義務付けられ、罰則の対象とされているのかということとは別の問題だ。

 (略)

 検察の摘発は、厳格な法解釈により、しかも厳正中立、不偏不党の姿勢で行われなければならないことは言うまでもない。今回摘発された事件が本当に違法だと立証できるのか、それが強制捜査、逮捕という手法が事件の中身と比較して適切か、という点に疑問の余地があることは既に述べたとおりである。
――――






冒頭に示した先日のサンプロに関する記事で、私は、「東京地検特捜部の小沢の秘書逮捕は何らかの理由による暴走(フライイング)であり、現在東京地検特捜部は大ピンチに陥っている可能性がある。」と述べたが、郷原氏もやはり私と同じ心配をしていた。

―――――
規正法改正、重ねても重ねても…――「政治とカネ」イタチごっこ(永田町インサイド)
2009/03/12, 日本経済新聞 夕刊

(一部抜粋)

元東京地検特捜部検事 郷原信郎氏 特捜部の「着地点」見えぬ

――小沢氏の秘書逮捕をどう見るか。

 「悪質な政治資金規正法違反ではない。政治的な影響は大きく常識では考えられない。
特捜部が泥縄式に突っ込まざるを得なくなっているなら一体どんな着地点を描いているのか心配だ」


――捜査のポイントは。

 「西松建設が出資したお金と認識していても、それだけで違反にはならない。規正法が義務付けているのは寄付者を収支報告書に記載するところまで。資金を誰が出したかを記載しろとは言っていない。寄付者が実態のないペーパーのような存在かどうかが焦点だ」

――便宜供与は。

 「公共事業に関する便宜供与をするなら政府・与党側が圧倒的に有利。小沢氏は野党で当時は自由党党首や民主党副代表だった。その地域の有力者だから『邪魔をしないでほしい』という趣旨ではないか」

――秘書逮捕で小沢代表も責任を問われることになるのか。

 「規正法の場合、秘書の選任と監督の両方に過失がなければ処罰はできない。他の法律の両罰規定は選任または監督に過失があることが要件だ。結論から言えば使えない」

――自民党二階派のパーティー券購入についてはどう見ているか。

 「裏の話があれば別だが強制捜査は考えにくい。最初から自民党側の捜査も予定していたのであれば、小沢氏の秘書の捜査に合わせて聴取を始めればよかった。世論の反発を考慮し捜査対象を拡大したのではないか。年度末の多忙な時期に特捜部が地方検察に『応援検事をよこせ』と言うのも通常は考えられない
―――――






3月3日に逮捕された小沢の秘書が、小沢の期待どおり3月24日に不起訴となる可能性もある。

その場合、マスコミは、逮捕された大久保隆規容疑者を「悲劇の主人公」に祭り上げたり、彼の潔白を信じて辞任したなかった小沢を「部下を信じる信念の政治家」と崇めるかもしれない。

当然、検察(東京地検特捜部)は非難されるだろうし、「無理な逮捕・捜査を行った背景は何か?」ということに目を向けられることになるだろう。

「政府」が東京地検特捜部に今回の逮捕・強制捜査を指示したことは有り得ないといって良いが、大久保容疑者が不起訴となれば東京地検特捜部の暴走が、結果的に麻生内閣や自民党に大打撃を与えてしまうことになるだろう。

多くの人が
「検察だって、余ほどの証拠を掴んでいなければ逮捕なんてしないでしょう。」と考えているようだが、私は楽観視は禁物だと考えている。

――――
郷原教授/名義違い悪質性薄い/政治資金規正法違反で見解
2009/03/12, 建設通信新聞

 郷原信郎桐蔭横浜大法科大学院教授は、政治資金規正法違反事件でコメントを明らかにした。
 この中で、同教授は、政治資金規正法では政治資金収支報告書に記載すべき政治資金の収支は単式簿記で、いくら入りいくら出るかが問題であり、寄付者が必ずしも資金の拠出者でなくても違法ではない、と指摘する。「実際にはAさんでなくて、Bさんが資金の出資者だということを認識していたとしても、寄付の行為者がAさんであればAの寄付と記載することは虚偽でない」と解説する。ただAがまったくダミーで実体がない場合はBが寄付者となるので「本件では西松建設がつくっていた政治団体に実体があるのか、単なるダミーなのかが最大のポイント」という。
 さらに「本件の政治資金規正法違反は4年間で2100万円と、従来の違反と比べ金額が非常に少ない。それと寄付自体は隠していない。寄付の名義が違うのではないかという疑いだけ。そう考えると寄付の態様、規模から考えて本件はあまり悪質な違反とは言えない」と断言する。
 このため「ほかに何かなければ、この時期に、このような事件で強制捜査に入るとは考えられない」と疑問を呈し、報道のあり方にも「なぜか関係者によると、というようにいろいろな話が出てくる。何となくそういうふうに言われると、あっ、こいつは悪いなというイメージを持たれるような情報がどんどん出てくる」ことに、違和感を示している。
 公共工事の受注との対価関係にも言及し、重畳的なあいさつの構図があり、「みんな保険料のつもりでお金を持って行かないと安心できない」ファージー制御のあいまいなシステムがあるとし、「政治献金が特定の工事の受注対価だという、つまり対価の明確性を持っていると考えにくい。立証できる証拠があるとはまったく考えられない。ダムの工事を直近で受注していたから、それの対価ではないかという話はほとんどマユツバだと考えていい」とした。
――――







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