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冨田尚弥選手「陳述書」全文――私にかけられた「えん罪」を晴らしたい(上)
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冨田尚弥選手「陳述書」全文――私にかけられた「えん罪」を晴らしたい(下)
弁護士ドットコム 11月6日(木)18時39分配信
(一部抜粋)
記者会見では、冨田選手が事実の経緯について詳細に説明した「陳述書」が、報道陣に配られた。陳述書の全文は以下の通り。
2
私は、記者の方のカメラを盗んではいません。私は、当時、自分がカメラを盗んだ犯人だという身に覚えのない疑いをかけられた上、韓国の警察官から取調べを受け、また、警察署に連行されるという人生で初めての場面に直面したことにより、冷静でいられなくなり、パニック状態に陥ってしまいました。そして、警察官から、通訳を通じて、「事を大きくするつもりはない。認めれば、次の日の飛行機にみんなと一緒に乗れるよ。」、「素直に応じれば、刑が軽くなって、大ごとにはならないから。」、「応じなければ、日本に帰れず、韓国に残らなければならない。」等と言われました。私は、パニック状態に陥っていたことや今回の件を認めないと、韓国に身柄を拘束され、身動きが取れなくなってしまうことへの不安が募ったこと等から、自分の身の潔白を主張し続けて争うことよりも、警察官の言うとおり大人しく従い、言いなりになって事を荒立てなければ、無事・日本に帰ることができるし、また、水連、JOC、デサント等、全ての関係者の方にも迷惑がかからないと考えるに至りました。
今、冷静になって考えると、それは誤った判断でしたが、私は、警察官に言われるまま、カメラが欲しくて思わず盗んだという事実関係を認めてしまいました。
4 窃盗行為をしたと疑われた平成26年9月25日、私は、午前9時頃から午前10時頃まで、他の選手が出場したレースを応援し、その後は、午前11時頃から、アジア大会のレース競技用のメインプールとシンクロ競技用や飛び込み競技用のダイビングプールが備えられたメイン会場で、十数名の日本代表選手と共に、練習をする予定でした。
(略)
練習開始前の午前10時30分頃、私は、練習を終えた松田選手と、メインプールのプールサイドで30分ほど話をしていました。このときの松田選手との会話で特に印象に残っているのは、先ほど行われた女子400メートルリレーの予選で、中国のバタフライを泳いだ選手の潜水キックが、制限の15メートルを超えていたと判定されたことで中国が予選失格となり、これに対して中国側が激しく抗議していたという話題です。私は、松田選手と、「抗議が長いね。」などと話していました。そして、松田選手から「お前練習をしていないなら、早く練習しろよ。」等とも言われたので、私は午前11時頃から練習を開始しました。松田選手は、そのまま選手村に帰ったようでした。なお、プール内の練習では女子の個人メドレーの寺村選手とも一緒でした。
韓国の警察の発表では、私の犯行時間は午前10時48分頃となっているとのことですが、私は、その時間帯は松田選手と雑談していたので、私が盗みをすることなどあり得ないことです。
5 私は、翌日に50メートル平泳ぎ予選に出場予定でしたので、この日の練習は軽めに済まそうと思い、寺村選手より先にプールを出てメイン会場から控場所に行き、そこで水着からジャージに着替え、一人で、再び練習場からメイン会場へと移動しました。
(略)
このとき、私のバッグは、ファスナーを閉じた状態で、バッグ本体が自分の左斜め後ろの位置にあり、私は、上半身を支える両手のうち、左手で、バッグについている取手を軽く握っていました。
6 その体勢で、台座に座りながらメインプールの方を見ていると、まもなくして、突然、何者かに私の左手首をきつく掴まれる感覚がありました。このときの時間は、午後0時頃だったと思います。
私は、突然の感覚に、一体何事かと思い、上半身を左に半身捻るようにして、顔を左向きにして後ろを振り返りました。すると、全く面識のない男性(以下、この男性を「A」といいます。)が、そのとき私が腰かけていた台座の向こう側から、身を乗り出すようにして、私の左斜め後ろ方向におり、私の左手首を掴んでいる姿が目に入りました。
7 その後、Aは、私の左手首を掴んだまま、私が左手で取手を軽く握っていたバッグに手を伸ばしてきて、バッグのファスナーを開けようとしてきました。私は、Aが自分のバッグを開けようとする不審な行動に出てきたため、とっさに、バッグを自分の方に引き寄せてAから引き離そうとしました。しかし、Aの力は思いの外強く、Aからバッグを引き離すことが出来なかったので、まずは、掴まれている左手首から、Aの手を振り払いました。そうしている隙に、Aは、既にバッグのファスナーを開けていました。そして、Aは、大きくて黒い塊を、素早く私のバッグの中に入れました。私は、とても混乱していたので、このときにAが私のバッグに入れてきた黒い塊が、一体何であるのか、咄嗟には理解できませんでした。
以上のように、私は、これまでに体験したことのない突発的な出来事に遭遇し、すっかり気が動転していました。そして、この正体不明のAに、黒い塊を入れられたバッグごと、練習用の水着、試合用のキャップやゴーグル等を奪われてしまうのではないか、それだけではなく、Aから何か危害を加えられるのではないかという言いようのない不安に襲われ、その場から一刻も早く立ち去りたいと思いました。そこで、Aが何を入れたか確認するよりも、この場を離れるのが先決だと思い、私は、両手で自分のバッグを掴み、右手でファスナーを閉め、自分の荷物がこぼれ落ちない状態にした上で、バッグを引っ張り、Aからバッグを引き離しました。そうして、何とかバッグを取り戻した私は、すぐに台座から立ち上がってその場を去ろうと、メイン会場のダイビングプール近くにある選手村へのバス乗り場がある出入り口の方へ向かって歩いていきました。
先にも述べたとおり、私のバッグには水着1枚、キャップ7枚、ゴーグル3個、セームタオル1枚しか入っていないので、比較的軽かったのですが、Aから取り戻したバッグを左手に持ったときに、バッグにズシリとした重みを感じました。
私は、Aが入れてきた黒い塊が一体何なのか、よく分からなかったのですが、もしかしたら、何か大きなゴミでも入れたのかなと思いました。それで、私は、Aが、メイン会場の台座付近にはゴミ箱が見当たらないことからゴミ処理に困り、そのゴミを捨ててくれというようなことを私に言っていたのではないかと思ったのでした。そう思うと、私は、せっかく、午前中の練習を終えて、翌日のレースへの集中力を高めていたのに、突然、見知らぬ男性からゴミの様な物を押しつけられたということで、気分が削がれ、テンションが下がりました。
8 突然の出来事でテンションが下がってしまったので、私は、一人で選手村に帰ろうとしていたのですが、出入り口付近で練習を終えた小関選手が、「一緒に帰りましょう。」と私に声を掛けてきてくれたので、午後12時30分頃、小関選手と一緒に、メイン会場に到着した選手村行きのバスに乗りました。
なお、私は、Aから入れられた黒い塊をゴミだと思っていましたし、少なくとも、私がAとやり取りした台座付近から私が移動してきた選手村行きのバス乗り場までの道中にはゴミ箱が見当たらなかったので、メイン会場では黒い塊を処理できず、結局、選手村に戻って何とかするしかないだろうと考えていたので、Aから離れた後、すぐにはバッグを開けず、中身を確認しませんでした。
9
私のバッグは、よく目を凝らして見ると、中身が若干透けるような薄い素材で出来ているので、一体どんなゴミを入れられたのだろうと思い、一応、バッグの外から、黒い塊が透けて見える部分をよく見たところ、黒い塊の表面に、銀色の丸い形が透けているのが確認出来ました。
今となれば、その銀色の丸い形が、デジタルカメラの本体とレンズの接合部分だったと理解できますが、当時の私には、銀色の丸というだけでは、それがどんなゴミなのか、見当もつきませんでした。
12 休憩終了後、私は、置いておいた自分のバックを手に取り、仲間と一緒にエレベーターに乗り、自分の部屋に戻りました。部屋に戻ってから、私は、翌日の試合に向けて水着等を乾かすためにバックを開けたところ、そこで初めて、Aが入れた黒い塊がカメラであることを確認しました。なお、後日、カメラの形状や重さを詳しく調べてみたところ、縦約16センチ、横約16.5センチ、幅約8センチで、重さは約1.3キロありました。
私は、普段、記者の方が撮影に使っている大きなカメラを見たことがありますが、その大きなカメラには、望遠鏡のような長いレンズが付いているはずなのに、このカメラには長い部分が無かったことから、折れる等して壊れてしまったのではないかと思い、結局、Aが壊れたカメラを捨てられなくて、困って、私にゴミ処理を押し付けてきたのだと思ってしまいました。私は、デジタル機器等についてほとんど知識がなく、特別の興味もなかったので、いわゆる一眼レフカメラのレンズが取り外し可能なものであり、カメラ本体だけにできるということは、今回の事件を通じて、初めて知りました。そして私は、Aがバックに入れてきたカメラは、壊れたカメラだと思ってしまったのです。
なお、選手が泊まる各部屋には、備え付けのゴミ箱はなく、選手が競技を終えて帰国するときに部屋を退出する際、不要なゴミを一か所にまとめておけば、管理者の方がそれをゴミとして処理してくれることになっています。
従って、私は、選手村を出るときに、このカメラをゴミとして置いていこうと考えていましたが、部屋が狭く、また、私の一人部屋ではなく、原田選手と相部屋だったため、スペースを勝手に使う訳にもいかないと考え、結局、奥の方にある私のベッドの足元に、開いた状態で寝かせて置いてある自分のスーツケースの、荷物の出し入れをあまりしない方のスペースに、何かで包むなどせず、そのままの状態でカメラを置いておきました。
もし、私が、他人のカメラが欲しくて、これをメイン会場から盗んできたのだとすれば、相部屋で生活する原田選手にそのことが見つかれば、直ぐに誰かに報告されてしまうので、誰にも見つからないように、例えば、スーツケースの荷物と荷物の間に挟んだり、カメラ自体を何かで包んだりすることで、見えないようにして隠していたと思います。
14 翌9月26日、私は、午前7時に起床し、当日の試合の準備を始めました。原田選手は、この日、特にレースの予定が無く、まだ寝ていたので、敢えて声をかけずに、私は部屋を出ました。
16 午後6時45分頃、私は、再びバスに乗ってメイン会場へ行き、仲間の出場レースを見ながら、応援をしていました。
この日に行われた決勝レースが間もなく終わろうとしたとき、JOCの柳谷さんという方が、私を呼びに来ました。私は、初めてお会いした柳谷さんから、特に説明も受けることなく、ただ、「付いてきて欲しい。」と言われたので、用件は分かりませんでしたがとりあえず付いていくと、メイン会場外の選手村行きのバス乗り場に誘導されました。そこには、銀色のワンボックスカーが一台停まっており、その車の付近には、私服の韓国人男性3、4名と、アジア大会のボランティア参加者用のジャージを着た韓国人男性1名が立っていました。どうしてこんなところに連れてこられたのか、私の目の前にいる人達は一体何者なのか等、私の中で色々な疑問が頭を飛び交い、訳が分かりませんでした。
私は、柳谷さんからワンボックスカーに乗るよう指示を受けたので、3列シート構造の車の2列目の運転席側(左ハンドルだったので、左側)から、おそらく、柳谷さん、私、ジャージの男性という順で乗り込みました(私と柳谷さんの位置が逆だったかもしれません。)。そして、私服の男性らは、左ハンドルのワンボックスカーの運転席と隣の助手席に一人ずつ、そして、3列目に残りの人がそれぞれ乗り込みました。私は、一体、何のためにワンボックスカーに乗り込んだのか、これからどこに行くのか、本当に何も分からないままでしたが、ただ、黙って指示に従うしかありませんでした。
車に乗り込むと、2列目に座ったジャージの男性が、たどたどしい日本語で、私に対して、「カメラを持っていますか。」と聞いてきました。私は、「カメラを持っているか。」というジャージの男性の言葉を聞いて、カメラと言われれば、先日、Aからバックに入れられた壊れたカメラのことしか思い当たるところはなく、そのカメラはその時点で自分の部屋のスーツケースに置いてあったので、「持っている。」という意味で、「はい。」と答えました。すると、ジャージの男性は、私に対して、「今回は、事を大きくするつもりはない、素直に認めれば、他のみんなと同じ飛行機に乗れるから。」ということを言ってきました。私は、何を認めればいいのか、他のみんなと同じ飛行機に乗れない事情でもあるのか、疑問に思いました。
その後、ジャージの男性が、私か柳谷さんに対して、「今からカメラを取りに行くので、選手村へ行きます。」と言うと、ワンボックスカーで、そのまま選手村へと移動しました。私は、この時点ではまだ、何故、これだけ大人数で、わざわざ壊れたカメラを選手村に取りに行くのか理由が分からず、事態を全く把握出来ませんでした。
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私は、警察官から、私がこのカメラを盗んだ犯人であると疑われているのではないかと不安がよぎりました。それでも、Aが私のバッグに入れてきたこのカメラは、壊れて使えないものですし、私自身が盗んだのではないから、自分が窃盗犯人と疑われているはずがないと思いました。ところが、写真撮影が終わって部屋を出る際に、警察官は、カメラの原物を持っていき、更に、私に対してパスポートを持つよう指示をしてきました。私は、警察官のこの指示から、ようやく自分が疑われていることに気付き、そして、選手村の入口に戻ってきた際に、ジャージの男性(これからは、「通訳」といいます。)から、「今から警察署に行きます。」と言われた時点で、私の中で、警察官は、私を窃盗犯扱いしているのだと思いました。
18 本来ならば、この時点で私が、Aとのやり取りを含めた真実を全て話して、警察官に対して、今回の件で私が犯人だというのは大きな誤解であることを説明すべきでした。
しかし、私は、この状況になるまで、カメラ泥棒扱いされることなど全く想像もしておらず、慣れない外国の警察官に対してどのような順序でどのように説明すればいいのかその場で直ぐに整理できなかったこと、説明するとしても通訳を介さなければならず、その通訳自身が日本語に不慣れであること(なお、通訳は、私や柳谷さんに話をするとき、スマートフォンで日本語を調べることもありました。)など、様々な要因が重なり、その場で説明する事は出来ませんでした。
19 警察署に到着すると、私は、ワンボックスカーから降ろされ、柳谷さん、通訳と一緒に、署内の一重に案内されました。その室内には、私達以外にも、先程から同行している3、4名の警察官がいました。そして、おそらく日本でいう取調べのようなものが始まり、警察官が私に対して、「素直に応じれば、刑が軽くなって、大ごとにはならないから。」、「応じなければ、日本に帰れず、韓国に残らなければならない。」等と言ってきました
その説明を聞いて、私は、もし私がAのことを話して窃盗の事実を争うのであれば、韓国の警察に拘束され、日本に帰れなくなるのではないかと不安になりました。そして、自らの潔白を訴えたいという気持ちよりも、どれくらい韓国に拘束されるか見通しも分からないまま日本に帰れなくなってしまうことへの不安と、私がAとのことを話して事態が大きくなることで、かえって、水連、JOC、デサント等関係者の皆様に迷惑を掛けてしまうのではないかという不安が、真っ先に頭をよぎりました。そのような状況で、警察官が通訳を介して、「事実を認めれば事を大きくしない。日本にみんなと一緒に帰れる。」と言ってきたので、その言葉を信じ、たとえ全く身に覚えがないことであっても、私一人が我慢し、真実を飲みこんで素直に従っておけば、事態は収束し、ひいては、それが水連、JOC、デサント等の関係者に対して、いちばん迷惑をかけずに、かつ、私自身も予定どおり日本に帰れる方法と思いました。以上のような経緯で、私は、警察官の言うままに、「はい。はい。」と答えて、今回、私が朴記者のカメラを盗んだという事実関係を、認めてしまったのです。
20 また、取調べの過程で、警察官から、平成26年9月25日における会場内での私の動きを聞かれたので、私は、日本代表の控場所からメイン会場に行き、練習後、一旦、控場所に戻り着替えた後、再びメイン会場に来て台座に座り、その後、ダイビングプールの近くにある出入り口から出て選手村行きのバスに乗ったことを説明しました。
この動きを説明するときには、警察官に事実関係を争ったら帰国できなくなると言われたので、真実を述べることに対する怖さがあり、Aとのことは話しませんでした。
すると、警察官は、私に、警察官が所持していたスマートフォンの中に保存されている動画を見せてきました。
動画は、いくつかありましたが、(1)サブプールからメインプールへ移動する人の姿、(2)メインプールのプールサイドにある台座に座っており、その後、台座から別の場所へ移動した人の姿、(3)ダイビングプール横を通って出口に出るまでの通路を歩いている人の姿、(4)建物の外を歩く人の姿が、それぞれ映っていました。このうち、(1)、(3)、(4)の動画は、映像がくっきりとしていて見やすかったので、映っている人物が私であり、行動の一部始終をはっきりと認識できましたしかし、(2)の動画だけは、映像もぼんやりとして他の動画より明らかに画像が粗く、乱れていて、また、映っている人物が私であるかどうかも、右半身しか映っていないのでよく分かりませんでした。そして、何よりも肝心な場面である私がカメラを盗んでいる状況等は一瞬たりとも映っていませんでした。
私は、この動画からだけでは、単に、私が、(1)~(4)のとおりの経路で移動したことが分かるだけで、私がカメラを盗んだ決定的証拠になるはずがないと思いましたが、先程から述べているとおり、私は、取調べの最初から、警察官に逆らったら拘束されて帰国できなくなるし、とにかく事を荒立てないようにして関係者に迷惑をかけないようにしなければと思っていたので、動画に対しても特に何も言いませんでした。
21 取調べは、目付けが変わった同月27日になっても続き、同日午前1時頃、カメラの持ち主である朴記者が警察署に来ました。
朴記者が来ると、柳谷さんが朴記者に頭を下げて謝罪したので、私も、3名の警察官が立ち会う中、柳谷さんに合わせて、朴記者に頭を下げ、「すいませんでした。」と謝罪しました。私は、内心では、何も悪いことをしていないので謝罪する必要はないと思いましたが、事を荒立てると韓国から出国できないかもしれないという思いから、とにかく場を収めようと頭を下げました。
(略)
午前3時頃、私は、警察の車に乗せられて選手村に帰されました。
22 私は、選手村に戻って、警察署では言いなりになって罪を認めてしまいましたが、やはり、水連の上野競泳委員長には真実を伝えようと思い、JOCの方に上野委員長を呼んで下さいと伝えましたが、上野委員長は不在だと言われました。
26 29日の夕方、以前に私がアメリカで練習をしていたときに指導して下さっていた幸野コーチからスマートフォンアプリのラインを使った通話機能で電話があり、「お前本当はやってないだろ。カメラのレンズの外し方なんかわかるのか。」と私が潔白であると信じるような言葉をかけて下さいました。
幸野コーチとは、以前から、水泳の話題から何気ない日常会話まで、ラインでメッセージの交換や通話をしており、私が取調べを受けた日以降、私は、幸野コーチに、窃盗の疑いをかけられたことについては伝えていました。そして、幸野コーチからは、前日の28日にも、電話で、「お前はそんなことをするような人間じゃない。本当は、誰かを庇っているんじゃないか。」などと言われました。私は、幸野コーチであれば、私の言い分を聞いて信じてもらえると思い、この日の午後5時頃、私は、幸野コーチに、初めて事のいきさつを全て話しました。
すると、幸野コーチから、すぐに私が語った真実をデサントのチーム監督である春木さんに相談するように言われたので、私は、水連の泉さんを通じて春木さんに電話をしてもらい、午後7時40分頃、選手村内で、駆けつけてくれた春木さん、錦織さん、そして泉さんに今までのいきさつを全て話しました。話の途中で、私の話が窃盗事件とはかけ離れたものだったので、これは大ごとだということで、泉さんは、私と一緒に警察署まで同行した柳谷さんを呼び出し、柳谷さんも交えて、事実関係やこれまでの経緯について確認をしました。その後、重大な事柄だということで、選手村本部にも行き、水連の鈴木会長や青木さんにも、全てを話しました。そこで、韓国の弁護士にも相談した方が良いという事で、大使館から弁護士のリストを送ってもらいました。
27 翌30日午後2時30分頃、私は選手村を出て、春木さん、錦織さん、日本から来たデサントの広報の方2名と一緒に、日本大使館の方から頂いたリストから韓国の国際弁護士に連絡をし、その弁護士の所属事務所に向かい、弁護士に対して、先程私が話した真実を全て伝えました。その話が終わってからは、デサントの方が宿泊しているホテルへと戻りました。
28 翌10月1日、私は日本に帰国することになり、韓国の金浦空港から飛行機に乗り、午後10時頃に羽田空港へ到着しました。
私は、金浦空港でも羽田空港でも、マスコミを通じて真実を述べたいと春木さんや錦織さんに訴えていましたが、二人から、まだ、私が体験した真実をどのように話すべきか、整理しきれていないことから、今は言うべきではなく時期を見て後日改めて会見を開いた方が良いとのアドバイスを受けました。
私は、そのアドバイスに納得し、空港では取りあえず謝罪をするだけにして、釈明することはしませんでした。
30 その後、私は、空港で世間の皆様に真実を説明できませんでしたが、日本に帰国してみると私に対し「日本の恥さらし」等とネットなどで批判があり、私は悔しくてたまりませんでした。私は、どうしてもこの屈辱を晴らしたいという思いや私が盗みなどやっていないという真実だけは、皆様に知っていて欲しいという思いが、日に日に強くなっていきました。そこで、記者会見を通じて、私が体験した真実を全て正直に述べようと決意し、10月11日に弁護士に相談し、こうして、記者会見を開くに至りました。
31 なお、一部では、9月26日に私が警察官に対して「カメラを見た瞬間、欲しくなった」と述べたり、同月30日に、私が選手村で水連の関係者に「カメラはそばにいた人にもらった。」と述べたりしていると報道されていますが、私がそのように言った事実はありません。
また、警察が、私がカメラを盗んだ時刻は、午前10時48分と発表したとの報道がされていますが、その時間帯は、私は松田選手とプールサイドで雑談しておいたので、カメラを盗めるはずがありません。
更には、私が朴記者のカメラのレンズをはずし、バックの中に入れたシーンや、そのバックを服の下に入れて隠し持って出た場面が監視カメラに映っているとの報道もありますが、私はその場面を一度も見せられていません。
そして、私は、デジタルカメラの知識に乏しく興味もありませんので、私にはカメラを盗む動機がありません。
メインプールのプールサイドという人目につきやすい場所で、しかも、会場内に監視カメラが複数あることを知っている私が、国を代表して出場しているアジア大会の開催中に、リスクを冒してまでカメラを盗むということなど、絶対にあり得ないのです。
32 以上のとおり、私は、韓国で、警察官の言われるままに、窃盗の罪を認めてしまいましたが、実際にはカメラを盗んでいませんし、カメラを盗む必要性などありません。私は、日本代表選手として誇りをもってアジア大会に出場しました。その私が、人目が多くまた、監視カメラも多数あるプール会場で人の物を盗むことなど絶対に有り得ません。
また、私が罰金100万ウォンを納付したとなっていますが、私は、事前に罰金の支払いについて水連から聞いておらず、罰金を納付したのは水連の方で、私は、帰国後、水連から罰金の立替払いの請求書が自宅に届いたので振込んだのです。そして、10月8日付で水連から、処分案の通知を受け取りましたが、私は、今回の件で、水連など関係者に迷惑をかけたことは事実なので、処分としてはこれを受け入れるという方針であえて不服申し立てを行いませんでした。
しかし、犯罪の成否は別であり、えん罪であることをきちんと主張したいと思っています。私は、水連の処分とは別に、私にかけられた「えん罪」だけは晴らしたいという気持ちです。
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>韓国の警察の発表では、私の犯行時間は午前頃となっているとのことですが、私は、その時間帯は松田選手と雑談していたので、私が盗みをすることなどあり得ないことです。
このアリバイが成立すれば、富田の潔白が証明されるとも思えた。
しかし、その後、韓国警察が犯行時刻について11時48分と訂正していることが分かった。
それにしても、事実関係の中でも非常に重要な犯行時刻について、当初は「10時48分」と発表していたのに、その後「11時48分」と1時間も訂正する韓国の警察って、本当に大丈夫なのか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141106-00000095-dal-spo
冨田 アリバイ主張も一転苦境に… 犯行時刻が1時間ズレていた
デイリースポーツ 11月6日(木)21時14分配信
仁川アジア大会期間中に韓国通信社のカメラを盗んだとして略式起訴された競泳男子の冨田尚弥(25)が6日、名古屋市内で会見を開き、同件について“冤罪”を主張した。
冨田側は当初、韓国警察が発表していた犯行時刻の10時48分について、松田丈志(セガサミー)、寺村美穂(セントラルスポーツ)の証言をとり、アリバイを主張した。
ただ、報道陣から韓国警察がすでに犯行時刻について11時48分と訂正していることを指摘されると、一転しどろもどろに…。
その時刻のアリバイについて、冨田は「記憶にない」と繰り返した。担当の国田武二郎弁護士も同時間帯の反証材料については「11時48分になると、あとは彼のやってないという主張になる」と話すに留まった。
デイリースポーツは、「冨田 アリバイ主張も一転苦境に… 犯行時刻が1時間ズレていた」などと述べているが、仮にアリバイが成立しないとしても、冨田が真犯人ではない可能性は高い。
冨田を犯人とする証拠は、主に【冨田の自白】と【防犯カメラの映像】の2つだ。
本人が犯行を認めたことは重要な証拠の一つとなるが、現在冨田は理由などを説明して否認しているため、絶対的な証拠とはならない。
冨田の説明には、一定の説得力がある。
また、陳述書の、『警察官が私に対して、「素直に応じれば、刑が軽くなって、大ごとにはならないから。」、「応じなければ、日本に帰れず、韓国に残らなければならない。」等と言ってきました』が事実であれば、富田の自白証言も証拠として無効となる可能性がある。
やはり、決定的証拠は、【防犯カメラの映像】となる。
冨田選手が事実の経緯について詳細に説明した「陳述書」では、【防犯カメラの映像】について、次のとおり述べられている。
――――――――――
20
警察官は、私に、警察官が所持していたスマートフォンの中に保存されている動画を見せてきました。
動画は、いくつかありましたが、(1)サブプールからメインプールへ移動する人の姿、(2)メインプールのプールサイドにある台座に座っており、その後、台座から別の場所へ移動した人の姿、(3)ダイビングプール横を通って出口に出るまでの通路を歩いている人の姿、(4)建物の外を歩く人の姿が、それぞれ映っていました。このうち、(1)、(3)、(4)の動画は、映像がくっきりとしていて見やすかったので、映っている人物が私であり、行動の一部始終をはっきりと認識できましたしかし、(2)の動画だけは、映像もぼんやりとして他の動画より明らかに画像が粗く、乱れていて、また、映っている人物が私であるかどうかも、右半身しか映っていないのでよく分かりませんでした。そして、何よりも肝心な場面である私がカメラを盗んでいる状況等は一瞬たりとも映っていませんでした。
私は、この動画からだけでは、単に、私が、(1)~(4)のとおりの経路で移動したことが分かるだけで、私がカメラを盗んだ決定的証拠になるはずがないと思いましたが、先程から述べているとおり、私は、取調べの最初から、警察官に逆らったら拘束されて帰国できなくなるし、とにかく事を荒立てないようにして関係者に迷惑をかけないようにしなければと思っていたので、動画に対しても特に何も言いませんでした。
――――――――――
この陳述書の内容が事実だとすると、冨田の犯行の証拠には到底なりえない。
11月6日の記者会見では、一通りの説明の後、記者から「防犯カメラで見ていない映像があるのであれば見たいですか?」との質問が出た。
それに対して冨田は、「はい。なぜそれを取り調べのときに見せてくれなかったのかを聞きたいです」と答えている。
10月30日に、冨田の代理人の国田武二郎弁護士が、「弁明のための記者会見を本人同席で11月6日に名古屋市内で行う」と発表した翌日31日放送の日テレ「スッキリ!!」では、韓国の警察のコメントも放送されたが、そこで韓国の警察は「冨田が会見で嘘を言うなら監視カメラ映像を公開する」とコメントしていた!
韓国警察
「冨田が会見で嘘を言うなら映像を公開する」
https://archive.today/FwtOt
★ スッキリの報道まとめ 訂正版
韓国警察のコメント
・会場40台ある防犯カメラの2台に映る
・レンズごとバッグに入れようとしたが無理でカメラ本体だけを盗む
・さらにそのバッグを服の中に入れて移動
・日本関係者に見てもらったら、冨田だと言われる ←コーチが確認と報道済み
・そのまま韓国警察と関係者が冨田のところに行く
「取ったか」「とりました」「どこにある?」「部屋のバッグの中です」 ←報道と同じ
・警察と日本人関係者が部屋に入ってバッグの中のカメラを確認 ←報道と同じ
・冨田が会見で嘘を言うなら監視カメラ映像を公開する
ここまできたなら、もう韓国の警察は、冨田を犯人とする証拠となる監視カメラ映像を公開しなければならない。
これで、韓国の警察が映像を公開しなければ、そこには冨田を犯人とする映像が映っていないといいうことだ。
そうなると、真実としては富田は犯行をおこなっておらず、当該事件は冤罪となる。
最大の焦点は、冨田の犯行がカメラに映っているかどうかだ!
もし、バッチリと映っているなら、それだけで事件の真相究明も完了する。
実際のところ、9月27日未明に富田が容疑を認めた当日のうちに、韓国の「聯合ニュース」は【韓国記者から被害届けを受けた警察は防犯カメラを分析し、カメラをかばんに入れ持ち去る冨田選手の姿を確認した。】と報じている。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/09/27/2014092701399.html
競泳の冨田選手が韓国報道陣のカメラ窃盗 ア大会
記事入力 : 2014/09/27 15:07、聯合ニュース
【仁川聯合ニュース】韓国・仁川で開かれているアジア大会で、競泳日本代表の冨田尚弥選手(25)が韓国報道陣のカメラを盗んだことが分かり、日本選手団が大きな衝撃を受けている。
仁川南部警察署などによると、冨田選手は25日午前11時ごろ、競泳会場の文鶴水泳場でプールサイドの記者席にあった韓国記者のカメラ「キヤノンEOS1DX」を盗んだ疑いがもたれている。
韓国記者から被害届けを受けた警察は防犯カメラを分析し、カメラをかばんに入れ持ち去る冨田選手の姿を確認した。カメラは800万ウォン(約83万円)相当で、冨田選手は「カメラを見た瞬間、非常に欲しくなった」と容疑を認めているという。カメラは選手村で見つかった。
警察は冨田選手が犯行を認め、盗難品が回収されたため、令状は請求しない方針。
一方、日本オリンピック委員会(JOC)は27日、メーンプレスセンターで記者会見を開いて謝罪するとともに、冨田選手を日本選手団から追放したと発表した。
冨田選手は2010年広州アジア大会の男子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得したが、今大会では100メートル平泳ぎで4位、50メートル平泳ぎは予選落ちした。
また、韓国最大手の「朝鮮日報」も、9月29日付けで【仁川南部警察署が盗難届けを受けて監視カメラを確認したところ、冨田選手がカメラに取り付けられていた望遠レンズを外した後、本体のみを持ち去った様子が映っていた。】と報じている!
しかし、「朝鮮日報」の記事は、まだリンク切れの時期でもないのに、なぜかリンク切れとなっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140929-00000748-chosun-kr
2014年9月29日、朝鮮日報
(一部抜粋)
仁川南部警察署が盗難届けを受けて監視カメラを確認したところ、冨田選手がカメラに取り付けられていた望遠レンズを外した後、本体のみを持ち去った様子が映っていた。
文面から察するに、おそらく聯合ニュースと朝鮮日報は、韓国の警察発表を報道したものと思われる。
上記の9月27日付け韓国「聯合ニュース」の【韓国記者から被害届けを受けた警察は防犯カメラを分析し、カメラをかばんに入れ持ち去る冨田選手の姿を確認した。】や、9月29日付け「朝鮮日報」の【仁川南部警察署が盗難届けを受けて監視カメラを確認したところ、冨田選手がカメラに取り付けられていた望遠レンズを外した後、本体のみを持ち去った様子が映っていた。】との報道内容が事実であって韓国の警察がその映像を公表すれば、一発で冨田が嘘に嘘を重ねる大嘘吐き野郎だと判明する!
ただ、一方で、9月27日付け「デイリースポーツ」は、「柳谷総務担当が警察でビデオを確認した結果、盗んだ瞬間などははっきりと確認はできなかったが、水泳連盟のTシャツ姿の冨田の顔が付近を歩く姿などが映っていた。」と報じている。
本部役員(総務担当)柳谷直哉
なぜ、韓国の警察は、日本選手団の柳谷総務担当に対して、【カメラをかばんに入れ持ち去る冨田選手の姿】や【冨田選手がカメラに取り付けられていた望遠レンズを外した後、本体のみを持ち去った様子】を映したカメラ映像を見せなかったのか?!
この監視カメラの映像については、JOCも発言をコロコロ変えている!
9月27日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140927-00000030-dal-spo
柳谷総務担当が警察でビデオを確認した結果、盗んだ瞬間などははっきりと確認はできなかったが、水泳連盟のTシャツ姿の冨田の顔が付近を歩く姿などが映っており、任意同行され、冨田は事実を認めた。
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11月6日
http://www.sanspo.com/sports/news/20141106/swi14110620020006-n1.html
本部役員のJOCスタッフ2人が警察で監視カメラの映像を確認した。
映像は冨田選手とすぐに判別できるもので、手にしたカメラを自分のバッグに入れる場面も映っていたという。
JOCの主張は、一貫しておらず、かなりあやしい!
とにかく、韓国の警察は、早く監視カメラの映像を公開するべきだ。
「韓国の警察は早く監視カメラ映像を公開しろ!」
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