日米関係が戦争に向かって急速に悪化していた1941年11月中旬、両国政府はそれぞれの議会に軍事予算の増額を求めている。
ルーズベルト大統領は70億ドルの増額を、日本政府は9億8千万ドルの増額を要請した。
1943年1月のルーズベルト大統領の予算教書に拠れば、パールハーバー直後から私たちは毎月20億ドルを支出している。
日本が重大なパールハーバーの年の1年間に認められた軍事費を殆ど1ヶ月で使っていた。
日本の軍事予算は1944~45年に380億円を追加計上してピークに達した。
これはほぼ90億ドルに相当するが、既に日本の工業生産は成長が止まっていたし、基本物資不足のために減少し始めていたのだから、これは単なる期待値に過ぎない。
これに対して、同じ時期、私たちは970億ドルにのぼる「国防」費を認められて、戦闘態勢に入ったのだ。
1937年7月の「日華事変」からパールハーバーまでの4年3ヶ月の間に、日本は中国と満洲の軍事・防衛活動に62億5千万ドルを使った。
1940年7月から1941年3月までに、アメリカは1千6百10億ドルを使っている。
満州事変から降伏まで、14年間の日本の総軍事予算は480億ドルを下回っている。
これはアメリカが武器貸与法で同盟国に供与した額をやや上回る程度である。
戦争の全期間を通じて私たちが支出した軍事費は3千3百億ドルにのぼる。
P130
『アメリカの鏡・日本』ヘレン・ミアーズ著(1948年)
つまり、日本の対米戦争は絶望的な戦争だった。
それでも、アメリカを相手に戦争をしたのは、そうせざるを得なかっただ。
世界制服の野望を抱いて、米・英・蘭・支を相手に戦ったのではないということ。
(参考)
米内海軍大臣(1939(昭和14)年10月、陸相、外相などとの五相会談の席上)
「(日独伊の海軍が英仏と戦って)勝てる見込みはありません。だいたい日本の海軍は、米英を向こうに回して戦争するように建造されておりません。独伊の海軍に至っては、問題になりません。」
連合艦隊司令長官山本五十六大将
「日米戦争は世界の一大凶事にして帝国は聖戦(支那事変)数年の後更に強敵を新たに得ることは誠に国家の危機なり。日米両国相傷つきたる後にソ連または独国進出して世界制覇を画す場合、何国がよく之を防御し得るや」
「アメリカと戦争するということは、殆ど全世界を相手にするつもりにならなければ駄目だ。・・・東京あたりは三度くらい丸焼けにされて、非常にみじめな目に遇うだろう」(ドキュメント太平洋戦争P245)
「大勢に押されて立ち上がらざるを得ずとすれば、艦隊担当者としては到底尋常一様の作戦にては見込み立たず・・・桶狭間とひよどり越と川中島とを合せ行ふの已(やむ)を得ざる羽目に追込まるる次第」(「昭和史」P364)
「是非にやれと言われれば、一年や一年半は存分に暴れてご覧に入れます。しかしそれから先のことは、全く保障出来ません」
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米国の対日嫌がらせの歴史と日本人が生きるための開戦
http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/8387340.html
(おまけ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070418-00000000-ykf-ent
ハリウッドで上演中「カミカゼ」の評判…今井雅之4役
4月18日17時2分配信 夕刊フジ
陸上自衛隊出身の俳優、今井雅之(45)が、監督・原作・脚本を手掛けた主演映画「THE WINDS OF GOD-KAMIKAZE-」が、米ハリウッド・エジプシャンシアターで、今月8日から21日まで公開されている。
今井のもとには、サンフランシスコをはじめ、全米各地から公開のオファーが寄せられているという。ハリウッドでの初日を見届けてきた今井が語る。
「ニューヨークでは、1-2カ月のロングランをやろうと言われました。公開日はテロの9・11が望ましいが、間に合わなければ、真珠湾攻撃の12・8に合わせたいですね」
映画のストーリーは、ニューヨーク在住のアメリカ人(格闘家のニコラス・ペタス)らが、交通事故のショックで今井扮する“日本人”にすり替わって、1945年8月1日の太平洋戦争末期の日本海軍へとタイムスリップするSF仕立て。神風特攻隊員となり、現状を否定しながらも大戦の中を生きていく。
「冒頭で主役はアメリカ人、という手法を取ったことが、彼らの感情移入に効果的だった。どうしても、今井が演じる時間が長くなってしまうこともあり、鏡に映る姿シーンで鏡にニコラス・ペタスを写し出す工夫もした」(スタッフ)という演出も米国人の心を打った。